オーガニックの国産小麦に挑戦して何年になるだろうか。
我が家の自給自足率を高めたいと、周囲の反対を押し切り栽培を開始した有機小麦。
有機認証制度の規格の制約から、様々な補助金の対象になりにくい。
国産有機小麦はマーケティングが難しく、再生産ができないのだ。
今現在、有機小麦は、金沢農業でも赤字部門である。
緑ゲタ(実績払い)無しのいわゆる地産地消の麦類を再生産するのは困難だ。
経営者として単純に分析したならば、全てを麦茶用(カロリーゼロ)の有機大麦に転換すべきかもしれない。
さて、それでは何故国産有機小麦を生産するのだろうか?
我が家の食料自給自足率への疑問から栽培を始めた有機小麦栽培。
最近、流通業者へ供給している500g入りの有機小麦粉以外に、業務用25kgの販売が伸びてきた。
小麦は、色々な商品の原料になり作っていても面白い。
写真の「トトロのシュークリーム」も業務用お客様の商品。
東京都杉並区高井戸にある「白髭のシュークリーム工房」である。
大きな製粉会社に工業原料として取り扱われる「外麦・国産麦」に対して、地産地消の小麦は、生産者の顔が見える農産物である。
年産によるタンパクや水分のばらつきは有るが、その風味は個性豊かで風土の香りがする。
地産地消の国産小麦は、地域興しや食育の推進、農商工連携等様々な可能性を持っているのだ。
昨年の春ごろ一通のメールから始まった「白髭のシュークリーム工房」への有機小麦粉供給。
小麦生産を続ける理由のひとつである。
